WIENNERSの6枚目のアルバム「TREASURE」発売まであと少し!②

ニューアルバム「TREASURE」についてだが、玉屋氏いわく

「音楽人生史上過去最高傑作」と言えるほどの出来らしい。

クリエイターが自身の最新作に関して「そこそこの作品ですね」などという微妙な評価を下すような事は、まあ滅多にないとは思うが、玉屋氏自身の口からここまでの発言が出たことは今まで無い事なんじゃないか。

 

一体どんな内容のアルバムなのだろう。

 

wiennersは、アルバムごとにサウンド面や楽曲の雰囲気に変化があるバンドではあるが、いわゆる”マンネリ化を防ぐために意識的に毎度異なるテイストや方向性のアルバムをリリースする”ようなタイプではなく、あくまで自分たちの理想のサウンドをライブも含めたバンド活動を通して常に探究、模索し続けているが故の変化、及び進化という感じだった。

スピード感やサンプリングの密度、メロディのポップさに重きを置き、曲を聞いて「いかにブッ飛べるか」をテーマにしている姿勢は12年前のファーストアルバム(「CULT POP JAPAN」)から一貫してブレていないのだが、そういったバンドの価値観をなるべく多くの人と共有できるようにするが為に時に微妙に、時に大胆に投球フォームを変え続けてきたのであろう。

それが6枚目にしてはじめて、ストレートに前のアルバムの延長にあるような、いわば「パート2的なもの」を出してくるのではないか?と僕は予想する。

理由は、すでに発表されている4曲(GOD SAVE THE MUSIC,FACTION,ブライトライト,SHINOBI TOP SECRET)が「BURST POP ISLAND」に入っていても違和感がないと感じるほど、前作でのやり方を引き続き踏襲しているような楽曲群だからだ。

それは、「BURST POP ISLAND」での手法がwiennersというバンドの1つの到達点であり完成形であることの証明なのではないだろうか。

 

2020年発売の前作はwienners史上でもかなりの名盤で、僕は発売から2年経った今でも、ほぼ毎日アルバムの曲を聴いているぐらいだ。

11曲入り30分のアルバム全体を通して統一感があり、整理されていて、かつハイテンションのまま最後まで駆け抜けるような作品。

それまでのwiennersのアルバムには無かったテイストだと言っていい。

 

「BURST POP ISLAND」に関しては個別に取り上げたいと思うので、細かい話はここでははぶくが、あのアルバムの制作を通して、彼らがそれまで追求していたであろう、いわゆる「wienners節」的なものの方法論をガチッとモノにしたんじゃないかと思う。

 

「こういうジャンルや、ああいうテーマを、もしwiennersが奏でるとこうなるよね!」というメンバー同士で共通するパターンのようなものがあの辺でしっかり確立されたんじゃないかな。

 

だからこそ、あいかわらず、パンクもハードコアも歌モノもダンスもヒップホップもスカもオーケストラの要素までもがブチ込まれているのにも関わらず、前述したようにwiennersという1人の人格が全ての曲を演奏しているような統一感をあのアルバムからは感じるのだ。

 

例えば、ニューアルバム「TREASURE」に収録されている先行シングル「GOD SAVE THE MUSIC」という曲。

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この曲は吉祥寺のライブハウス、ワープの支援コンピアルバムのために作られたもので、なんとリモートでのやり取りのみで、僅か1週間ほどで製作されたものらしい。もはや彼らは、これだけ破茶滅茶でカオスな楽曲をサラッと作れてしまう程のバンドなのだ。

驚きではあるのだが、同時に僕はこの曲の方法論こそがまさに「BURST POP ISLAND」以降確立した今のwiennersの「らしさ」を凝縮したものであると思っているので、ある意味、現在の彼らにとっては超ストレートなアプローチなのかもしれない。

 

付け加えると、最近のwiennersの楽曲には、ヌケの良さだったり、もっと言えば独特のユーモア感による余裕のようなものが全体に漂っていて、そこが非常に良い。

いや、”自分たちにしか作れない独自の方法論”という強力な武器を手に入れた事による余裕が出せるからこそのユーモア感なのか。

 

なんだかダラダラと書いてしまったが、ニューアルバム発売5日前にして今僕が思っていることをまとめると前作「BURST POP ISLAND」は超絶名盤だったから、引き続きあの路線で行くんじゃないかなということ。

 

当然、言うまでもないことだが、アルバムを聞いていないのでこれは僕の勝手な予想にすぎない。

全然、予想していた感じと違う内容になっていたという事も大いに有り得る。

例えば今の方法論を更に推し進めてアップデートされたバンドの音が聴けるとか。

もしくは、今までのwiennersには無かった、全く新しいタイプの曲が入っているとか。

どんな形であれ、あの4人が作るんだから良いものには違いないはずだ。

僕の中でここまで、絶対的な期待と信頼感を抱いているバンドは他に居ない。

早く聴きたいなぁ。